110A38

60歳の男性。左下腿痛を主訴に来院した。2日前から誘因なく左下腿痛が出現した。昨日から悪寒と戦慄が出現したため受診した。既往に左下腿骨骨折があり、糖尿病による慢性腎不全で5年前から透析を受けている。体温38.5℃。脈拍84/分、整。血圧130/70mmHg。左下腿に発赤、熱感および腫脹があり、軟部組織に握雪感を認める。赤沈70mm/1時間。血液所見:赤血球294万、Hb 7.7g/dL、白血球25,100(桿状核好中球7%、分葉核好中球72%、リンパ球6%、単球 14%)。プロカルシトニン3.0ng/mL(基準0.05未満)。CRP 31mg/dL。左下腿エックス線写真(A)と左下腿CT(B)とを別に示す。
原因菌として最も考えられるのはどれか。
Aspergillus fumigatus
Brucella abortus
Clostridium perfringens
Mycobacterium tuberculosis
Pseudomonas aeruginosa

解答: c

110A38の解説

誘因なく出現した左下腿痛。同部位に熱感、腫脹、握雪感(ガス貯留を疑う)がある。Aでは脛骨と腓骨の骨折跡(本文に記載あり)と、皮下組織の透亮像(ガスを疑う)が指摘可能(しっかり画像を拡大して確認してほしい)。Bでは明瞭なガス像を指摘可能。ガス壊疽の診断。糖尿病が背景にあり、易感染性にあることが主因と考えられる。
a アスペルギルス症の原因。
b ブルセラ症の原因。
c 正しい。ガス壊疽の原因となる。
d 結核症の原因。
e 緑膿菌であり、院内感染の原因となる。

正答率:81%

テーマ:ガス壊疽の原因菌

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