110A36

62歳の男性。胃癌切除術後の定期受診のため来院した。3か月前にIb期の胃癌にて幽門側胃切除術、Billroth I法再建術を受け、1か月ごとに定期受診していた。経口摂取量は徐々に増加している。最近週に3、4回、食後数時間後に全身倦怠感、冷汗および手の震えを感じるようになった。身長173cm、体重63kg。体温36.7℃。脈拍80/分、整。血圧132/82mmHg。腹部は平坦、軟で、腫瘤を触知しない。
原因として考えられるのはどれか。
貧血
脱水
低栄養
低血糖
低Na血症

解答: d

110A36の解説

胃全摘後、食後「数時間」で全身倦怠感、冷汗、手の震えが出現していることより、後期ダンピングを考える。
a 貧血が出現するのは胃切数年後である。
b 早期ダンピングの病態。
c 経口摂取量は徐々に増加していたため、低栄養は考えにくい。
d 正しい。後期ダンピングの病態である。
e 血圧は保たれており、ナトリウム値の異常は考えにくい。

正答率:90%

テーマ:後期ダンピング症候群の病態

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