110A35

65歳の男性。血尿を主訴に来院した。3か月前から時々血尿を自覚していたが、自然に消失していたため医療機関を受診していなかった。2日前から血尿が持続するため受診した。喫煙は20本/日を45年間。飲酒はビール350mL/日を20年間。身長165cm、体重90kg。血圧160/100mmHg。尿沈渣に赤血球多数/1視野、白血球5〜10/1視野。尿細胞診はクラスV。膀胱内視鏡像を別に示す。脊髄くも膜下麻酔下で経尿道的膀胱腫瘍切除を行った。病理所見では尿路上皮癌pTaと上皮内癌とを認める。術後1か月目に施行した尿細胞診でもクラスVであった。
この患者の治療として適切なのはどれか。
膀胱全摘術
放射線療法
抗癌化学療法
分子標的薬投与
BCG膀胱内注入療法

解答: e

110A35の解説

喫煙歴のある高齢男性の持続する肉眼的血尿。本文中に尿路上皮癌pTaと上皮内癌との記載がある。画像では乳頭状の腫瘍がみられる。すでに経尿道的膀胱腫瘍切除は実施済みのようだ。
a 筋層浸潤のある場合に行う。
b・d 膀胱癌の標準的治療ではない。
c 遠隔転移のある場合に考慮される。
e 正しい。上皮内癌に対してBCG膀胱内注入療法が有効。

正答率:53%

テーマ:膀胱上皮内癌の治療

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