109I52

64歳の男性。2年前に脳梗塞を発症し、左上下肢の完全麻痺で在宅にて療養中である。5年前から心房細動と心不全とに対して内服治療中である。食事は全量摂取するが、時々、食事中に咳き込むことがある。日中は家族の介助により車椅子で移動している。
今後、在宅診療を続ける過程で心不全増悪を示唆する所見でないのはどれか。
体重増加
下腿浮腫
易疲労性
起坐呼吸
吸気性喘鳴(stridor)

解答: e

109I52の解説

一般問題で出題するような知識を強引に臨床問題で作成した、という印象の問題。設問文にあるように、心不全増悪を示唆するか否かを判別できればよい。
a・b 右心不全では胸水や腹水、浮腫などをみる。これにより体重が増加する。
c・d 左心不全では肺水腫をみる。これにより呼吸機能が低下し、易疲労性や起座呼吸が出現する。易疲労性は心拍出低下による有効循環血液量低下もその原因といえる。
e 誤り。左心不全では肺水腫をみるため、下気道に液体が貯留する。ゆえに下気道狭窄が出現し、呼気性喘鳴をみる。吸気性喘鳴(stridor)は上気道狭窄(クループ症候群など)で出現する。

正答率:93%

テーマ:心不全増悪を示唆する所見

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