109H23

51歳の男性。血痰の精査のため入院中である。精査の結果、病期IVの肺腺癌と診断され余命は数か月であると考えられた。病状と今後の治療計画について改めて患者に説明することになった。これまで患者本人以外の家族や関係者と面談したことはない。患者は現職の市長で2か月後の市長選挙への出馬に強い意欲を持っており、後援会長がその準備にあたっている。市長が入院したことは報道機関も含め地元で話題となっている。
この時点での対応として適切なのはどれか。
早期肺癌であると患者本人に説明する。
市長は肺炎であると記者会見で発表する。
市長選への出馬は困難であると後援会長に伝える。
病期IVの肺癌であると患者の家族から本人に伝えてもらう。
悪い知らせを詳しく聞く意思があるかを患者本人に確認する。

解答: e

109H23の解説

余命数か月と考えられる中年男性。現職の市長であり、世間の関心も高い。慎重な対応が望まれる。
a・b 嘘はいけない。
c・d 患者本人の自己決定権を尊重すべく、まずは患者に話すべき。
e 正しい。告知するにあたって本人の意思を確認する。悪い知らせを聞かない、という権利も患者にはある。

正答率:98%

テーマ:現職市長の入院に際する対応(個人情報保護・プライバシー)

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