109G41

84歳の女性。息苦しさと発熱とを主訴に家族に伴われて無床診療所に来院した。昨夜から元気がなかった。今朝から息苦しさと発熱とが出現したため受診した。5年前と2年前とに脳梗塞を発症し、要介護2と認定され訪問診療と訪問介護とを受けている。1日のほとんどを自宅内で過ごしており、排泄、入浴および着替えには一部介助が必要である。最近は食事のときにむせることが多くなった。体温38.6℃。脈拍104/分、整。血圧88/54mmHg。呼吸数22/分。SpO2 89%(room air)。口腔内と皮膚とは乾燥し、右前胸部にcoarse cracklesを聴取する。
まず行うべき対応として正しいのはどれか。
胃瘻を造設する。
在宅で点滴治療を開始する。
適切な食事形態を指導する。
地域医療支援病院へ紹介する。
地域包括支援センターに連絡する。

解答: d

109G41の解説

主訴は息苦しさと発熱。右前胸部にcoarse cracklesを聴取しており、肺炎を考える。食事のときにむせる、という記載からは誤嚥性肺炎が考えやすい。口腔内と皮膚とが乾燥しており、血圧が88/54mmHgと低下している。無床診療所で対応できる状況ではなさそうだ。市中肺炎の入院適応を決めるスコアではCURB65にて2点以上、A-DROPにて4点と評価でき、入院適応となる。
a 経口摂取困難な患者では適応となることもあるが、来院後いきなり胃瘻造設するというのは早計。
b 血圧低下もあり、在宅での経過観察は危険である。
c 誤嚥性肺炎の再発防止に有効であり、魅惑的な選択肢ではある。が、現時点の感染症への対応になっていない。
d 正しい。やってきたのは無床診療所であり、入院しての肺炎治療ができない。ゆえに地域医療支援病院を紹介する必要あり。
e 地域包括支援センターは高齢者の総合的対応をする窓口であるが、医療行為はできない。

正答率:74%

テーマ:肺炎の高齢者への対応(地域医療支援病院への紹介)

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