109F31

酸素投与、モニター装着および静脈路確保を行い治療を開始した。
検査所見:血液所見:赤血球456万、Hb 13.9g/dL、Ht 44%、白血球15,200(桿状核好中球15%、分葉核好中球65%、単球3%、リンパ球17%)、血小板20万。血液生化学所見:総蛋白6.6g/dL、アルブミン3.2g/dL、AST 19U/L、ALT 17U/L、LD 292U/L(基準176~353)、ALP 256U/L(基準115~359)、γ-GTP 41U/L(基準8~50)、CK 108U/L(基準30~140)、尿素窒素25mg/dL、クレアチニン1.1mg/dL、血糖110mg/dL、Na 133mEq/L、K 4.0mEq/L、Cl 96mEq/L。CRP 12.5mg/dL。12誘導心電図は洞調律で心拍数112/分。ポータブル胸部エックス線写真で右下肺野に肺炎像を認めるが、肺うっ血を認めない。喀痰のGram染色と培養検査を指示した。
今後の対応として適切でないのはどれか。
心電図モニターで心拍数を監視する。
留置した尿道カテーテルで時間尿量を監視する。
抗菌薬は喀痰培養で感受性が判明してから開始する。
経皮的酸素飽和度〈SpO2〉を参考に酸素投与量を調節する。
異なる部位から採取した複数セットの血液培養を提出する。

解答: c

109F31の解説

白血球数が12,000を超えており、これで前問と合わせて全身性炎症反応症候群〈SIRS〉の全基準を満たしたこととなる。CRPが上昇しており、胸部エックス線写真で肺炎像がみられることから敗血症性ショックの確定診断となる。
a ショック患者に心電図モニターは必須である。
b 尿量は全身の循環状態と相関があるため、輸液の効果判定も兼ねて監視したい。
c 誤り。頻出問題。Gram染色や培養検査用の検体を採取したら、経験的に抗菌薬投与を開始してよい。
d 酸素投与量調節のためには動脈血の酸素飽和度を血液ガス分析でみるのが理想ではあるが、持続的なモニタリングには向かないため経皮的酸素飽和度を測定する。
e 血液培養の検体は異なる部位から2セット以上採取する。

正答率:95%

テーマ:【長文2/2】肺炎患者への対応

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