109F27

現症:意識は清明。身長174cm、体重67kg。体温36.5℃。脈拍96/分、整。血圧100/62mmHg。呼吸数20/分。SpO2 97%(room air)。皮疹を認めない。眼瞼結膜は貧血様である。眼球結膜に黄染を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。肝・脾を触知しない。心窩部から右季肋部にかけて圧痛を認める。反跳痛を認めない。直腸指診で異常を認めない。
検査所見:血液所見:赤血球340万、Hb 10.0g/dL、Ht 35%、白血球7,200、血小板16万。CRP 1.5mg/dL。腹部超音波検査で異常を認めない。
次に行う検査の前に再度確認しておくべきなのはどれか。
輸血歴
緑内障
気管支喘息
卵アレルギー
アトピー性皮膚炎

解答: b

109F27の解説

眼瞼結膜の貧血があり、Hbが10mg/dLと低下している。心窩部から右季肋部にかけての圧痛があることと合わせ、胃・十二指腸潰瘍による出血が考えやすい。「次に行う検査」とは、上部消化管内視鏡検査のことである。
a C型肝炎など感染症既往が知りたい場合に確認する。
b 正しい。消化管運動を止めるため検査前に抗コリン薬を筋注するが、この禁忌として緑内障が挙げられる。
c 造影剤を使用する検査前に確認すべきである。
d インフルエンザワクチン接種前などに確認すべきである。
e Kaposi水痘様発疹症や白内障などアトピー性皮膚炎に合併する疾患をみたときに確認すべきである。

正答率:66%

テーマ:【長文2/2】上部消化管内視鏡前処置の禁忌

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