109F19

生後25日の新生児。数日前から啼泣時に口唇が紫色になることを心配した母親に連れられて来院した。出生後から異常は指摘されていない。SpO2 89%(room air)。胸骨左縁第2肋間を最強点とするIII/VIの収縮期駆出性雑音を聴取する。
考えられるのはどれか。
Fallot四徴症
三尖弁閉鎖症
肺動脈閉鎖症
完全大血管転位症
総肺静脈還流異常症

解答: a

109F19の解説

啼泣時に口唇が紫色になる、とはすなわち口唇チアノーゼである。心雑音を聴取しており、先天性心疾患を疑う。ここでのポイントは生後20日以上が経過してからチアノーゼが出現し始めた、ということである。大半の右左シャントをもつ先天性心疾患は出生直後からチアノーゼが出現する。本症例のように生後しばらく経ってからチアノーゼが出現した場合、Fallot四徴症〈TOF〉を考えたい。TOFでは非弁性の肺動脈狭窄があるため、生後、心筋がある程度発達してきてから症状が出現するのである。ゆえに現在聴取されている胸骨左縁第2肋間の収縮期駆出性雑音は肺動脈狭窄を示唆する。
a 正しい。上記の通り。
b~e これらは出生直後からチアノーゼが出現する。

正答率:82%

テーマ:Fallot四徴症〈TOF〉の診断

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