109F17

74歳の男性。脳梗塞で入院中である。1か月前、四肢麻痺にて緊急入院し、脳幹梗塞と診断された。入院中に肺炎を発症し、抗菌薬にて治療後に回復期リハビリテーション病棟に転棟した。転棟時、意識は清明。不全四肢麻痺のため車椅子への移乗と食事とに介助を要する。体温36.4℃。血液所見:赤血球421万、Hb 13.4g/dL、Ht 42%、白血球6,400、血小板21万。胸部エックス線写真に異常を認めない。転棟前に実施した喀痰培養でメチシリン耐性黄色ブドウ球菌〈MRSA〉陽性が判明した。リハビリテーションは訓練室で実施している。
この患者への対応で誤っているのはどれか。
院内で情報を共有する。
リハビリテーションは継続する。
バンコマイシン点滴静注を開始する。
食事介助の際にマスクとガウンを着用する。
使用したティッシュペーパーは感染性廃棄物とする。

解答: c

109F17の解説

回復期リハビリテーション病棟でのメチシリン耐性黄色ブドウ球菌〈MRSA〉感染。院内感染として拡大するリスクがあり、感染症対策チームを交えて慎重な対応が必要となる。
a 情報の共有は重要である。
b リハビリテーションを継続しつつも感染拡大を予防するような方策をたてることが望ましい。極端な話、個室管理にして、一人でリハビリをしてもらってもよいわけだ。
c 誤り。今現在の炎症所見はないため、抗菌薬点滴は無意味。
d MRSAは接触感染する。食事介助のときはもちろん、平素からスタンダードプレコーションに留意すべきである。
e MRSA患者の使用したティッシュペーパーは感染性廃棄物となる。

正答率:76%

テーマ:MRSA陽性患者への対応

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