109D29

27歳の男性。強い咳嗽、発熱および呼吸困難を主訴に来院した。2か月前の初夏から咳嗽が出現し次第に増強した。1週前から発熱とともに呼吸困難が出現し、外来にて低酸素血症を認めたため入院となった。入院2日後には症状と低酸素血症とが改善し3日後に退院したが、退院翌日に再び咳嗽、発熱および呼吸困難のために救急外来を受診し、再入院となった。既往歴に特記すべきことはない。再入院時、身長167cm、体重70kg。体温38.0℃。脈拍112/分。血圧110/68mmHg。呼吸数24/分。SpO2 88%(room air)。吸気時にfine cracklesを聴取する。血液所見:赤血球510万、Hb 14.9g/dL、Ht 43%、白血球11,100(桿状核好中球6%、分葉核好中球75%、好酸球3%、好塩基球1%、単球3%、リンパ球12%)、血小板35万。CRP 2.2mg/dL。再入院時の胸部エックス線写真で両側肺野に淡いスリガラス陰影を認める。再入院時の胸部CT(A)と再入院翌日に行った経気管支肺生検組織のH-E染色標本(B)とを別に示す。気管支肺胞洗浄液所見:細胞数4.2×106/mL(肺胞マクロファージ4%、リンパ球88%、好中球6%、好酸球2%)。
治療法として適切なのはどれか。
自宅安静
抗結核薬の投与
ペニシリン系抗菌薬の投与
副腎皮質ステロイドのパルス療法
入院継続による生活環境からの隔離

解答: e

109D29の解説

「初夏から」「スリガラス」「気管支肺胞洗浄液でのリンパ球増加」などより過敏性肺炎が考えられる。画像Aにて両側のスリガラス影がみられ、画像Bにて多核巨細胞がみられている。過敏性肺炎の診断となる。抗原からの隔離が重要。
a 自宅で症状が増悪するため、抗原からの隔離が必要。
b 結核感染ではない。
c 細菌感染ではない。
d 有効ではあるも、抗原からの隔離後なお症状が持続する場合に用いる。
e 正しい。aに示したとおり。

正答率:79%

テーマ:過敏性肺炎への対応

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