109C24

20歳の男性。オートバイ事故にて受傷し救急搬送された。来院時、発語はなく呼びかけに対して開眼は認められない。頭部と顔面とに打撲痕が認められ、鼻腔と口腔から呼気時に血液があふれ出てきている。脈拍60/分、整。血圧140/80mmHg。呼吸数32/分。SpO2 88%(リザーバー付マスク10L/分 酸素投与下)。
最も優先すべきなのはどれか。
輸血
頭部CT
気管挿管
鼻出血の止血
救急隊からの病歴聴取

解答: c

109C24の解説

オートバイ事故での交通外傷。「発語はなく呼びかけに対して開眼は認められない」とのことで、JCSで少なくとも3桁といえる。血圧は保たれており、出血量は多くなさそうだ。このような緊急時にも関わらず、脈拍が60/分といささか低値を示しており、もしかしたら頸髄損傷による交感神経機能低下があるのかもしれない。鼻腔・口腔から血液があふれ出てきており、SpO2も10L/分で酸素を投与しているにも関わらず88%と値が伸びない。まずはAirwayの確保が必要であろう。
a 血圧は保たれており、輸血の必要性は現時点では低い。
b 頭部(頭蓋骨や脳)の損傷の評価に有効であるが、cが優先する。
c 正しい。気管閉塞による窒息を防ぐとともに、酸素状態の改善を狙い、気道確保する。
d 有効な処置であるが、鼻出血単独で死に至ることはないため、優先度は低い。
e これも有効であるが、病歴聴取をしている間に患者の呼吸が止まる可能性もあり、cが優先する。

正答率:93%

テーマ:高エネルギー外傷患者へ優先すべき処置

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし