109B46

70歳の女性。咳嗽、喀痰および息切れを主訴に来院した。6年前から咳嗽と喀痰とを自覚していた。1年前から坂道や階段を昇るときに呼吸困難を感じるようになり、風邪をひくと喘鳴が出現することがあった。1か月前から100m歩くと息切れを自覚し休むようになったため受診した。喫煙は20本/日を45年間。身長153cm、体重42kg。脈拍88/分、整。血圧134/84mmHg。呼吸数24/分。頸部の胸鎖乳突筋が肥大し、吸気時に肋間や鎖骨上窩の陥入がみられる。呼気は延長し、聴診では呼吸音の減弱がみられるが副雑音は聴取しない。
最も考えられる疾患はどれか。
過敏性肺炎
気管支拡張症
肺血栓塞栓症
特発性肺線維症
慢性閉塞性肺疾患

解答: e

109B46の解説

喫煙歴もあり、慢性閉塞性肺疾患〈COPD〉の診断は難しくない。吸気時に肋間・鎖骨上窩が内陥する現象をHoover徴候と呼び、呼吸補助筋による代償を示唆している。
a 木造家屋など特定の場所での発症が特徴的。また、聴診にてfine cracklesがみられる。
b 血痰がみられることが多い。呼気の延長や呼吸音の減弱はみられない。
c 急激な発症が特徴的。慢性肺血栓塞栓症という病態もあるが、その場合右心不全徴候が前面に出る。
d 呼気の延長や呼吸音の減弱はみられない。聴診にてfine cracklesがみられる。
e 正しい。上記の通り。

正答率:98%

テーマ:慢性閉塞性肺疾患〈COPD〉の診断

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