109A54

8歳の男児。落ち着きのなさを主訴に母親に連れられて来院した。幼児期から落ち着きのなさが認められ、遊びでも順番やルールを守ることができなかった。授業中に席を離れることがあり、家では宿題を嫌がってなかなかやらない。成績は中程度であり、身体所見に異常を認めない。
まず行うべき対応として適切なのはどれか。
薬物療法を導入する。
問題行動には厳しく叱責する。
教室全体が見えるように一番後ろに座らせる。
集中可能な持続時間を考慮して課題に取り組ませる。
母親に対して大人になれば改善することを説明する。

解答: d

109A54の解説

落ち着きのなさや、遊びの順番やルールを守れない、といった記載より注意欠陥・多動性障害〈ADHD〉が考えられる。自閉症と異なり、学業成績の低下はない。
a ADHDにはメチルフェニデートが有効であるが、まず投薬、というものでもない。
b 病気の一症状であり、本人に落ち度があるわけではない。むしろ、両親には叱責しないよう指導すべき。
c 視覚に入ってくるものが多いほど注意は散漫となりやすい。教室の前方に座らせるとよい。
d 正しい。ADHDの特性を理解し、本人が快適に生活できる環境を整えることが重要。
e 成人後も症状は持続することが多い。

正答率:94%

テーマ:注意欠如多動性障害〈ADHD〉への対応

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