109A49

52歳の男性。足の激痛を主訴に来院した。昨晩、突然に右第一中足趾節関節に発赤と激痛を伴った腫脹とが出現し、自宅近くの夜間診療所で非ステロイド性抗炎症薬を投与されたが改善しないため受診した。身長174cm、体重80kg。尿所見:蛋白(±)、糖(-)、潜血(±)。血液所見:赤血球471万、Hb 15.4g/dL、Ht 44%、白血球11,000、血小板15万。血液生化学所見:尿素窒素30mg/dL、クレアチニン1.5mg/dL、尿酸9.2mg/dL。CRP 5.4mg/dL。尿酸排泄率〈FEUA〉18%(基準7~14)。
この時点で行うべき治療と、今後、長期的に行うべき治療の組合せで正しいのはどれか。
この時点で行うべき治療 長期的に行うべき治療
a コルヒチン 尿酸合成阻害薬
b コルヒチン 尿酸排泄促進薬
c 尿酸合成阻害薬 尿酸合成阻害薬
d 尿酸合成阻害薬 尿酸排泄促進薬
e 尿酸排泄促進薬 尿酸合成阻害薬

解答: a

109A49の解説

突然の右第一中足趾節関節の発赤・激痛であり、痛風の診断は容易。発作の急性期には非ステロイド性抗炎症薬〈NSAIDs〉が有効。ただし、NSAIDsの投与によっても病状が改善しないとのことで、次なる一手が要求される。なお、尿酸排泄率〈FEUA〉に過去にも106I80で出題がある。当時の正答は5.3%であり、本問に提示されている基準値(7~14)に照らすと、尿酸排泄低下型の高尿酸血症であることが分かる。
a 正しい。教科書的にはコルヒチンは発作前兆期に有効なのだが、このような状況下では発作中であっても有効。107D55でも同様の出題がある。また、FEUAが高く、尿酸合成阻害薬が必要となる。
b・d・e クレアチニンが高く腎障害があるため、尿酸排泄促進薬は使用不可。
c・d 発作中に尿酸合成阻害薬を用いると尿酸値が変動し、発作が増悪することがある。

正答率:89%

テーマ:痛風発作時の治療

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