109A47

51歳の男性。左前腕不全切断のため救急車で搬送された。左前腕をベルトコンベアに巻き込まれて2時間後に救出された。来院時、意識は清明。体温36.2℃。脈拍92/分、整。血圧146/70mmHg。左橈骨動脈の拍動は微弱であるが、尺骨動脈は触知する。開放創と手は油で汚染されているが、爪床はピンク色でcapillary-refilling time〈毛細血管再充満時間〉は正常範囲内である。手指の感覚は脱失しているが、小指はわずかに動かすことができる。患者は手を残すことを希望している。既往歴に特記すべきことはない。血液所見:赤血球420万、Hb 12.0g/dL、Ht 35%、白血球9,400、血小板20万。左前腕の写真(A)、エックス線写真(B)および動脈造影像(C)を別に示す。
最初に行うべき処置として適切なのはどれか。
切断
骨接合
動脈吻合
皮膚縫合
デブリドマン

解答: e

109A47の解説

左前腕の不全切断。画像Aでは左前腕の開放創がみられる。本文にもあるように、ベルトコンベアの油であろうか、汚染の程度が強い。画像Bでは橈骨・尺骨双方の骨幹部骨折と大幅な変位がある。画像Cでは上腕動脈の分岐を造影しているが、尺骨動脈の血流は保たれているも、橈骨動脈の途絶がある。
a 最初から切断、というナンセンス。
b~d むろん必要な処置ではあるが、eの後にしっかりと計画を立てた後、順を追って施行すべき。
e 正しい。汚染されている創であるため、デブリドマンがfirst。

正答率:95%

テーマ:左前腕不全切断の初期治療

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