109A37

81歳の女性。食欲不振を主訴に来院した。昨日から食欲不振を訴え食事をとらないため、家族に連れられて受診した。60歳時に胆嚢結石で開腹手術を受けている。Parkinson病で74歳からレボドパ〈L-dopa〉を服用している。体温36.8℃。脈拍72/分、整。血圧120/74mmHg。呼吸数14/分。腹部は軟で、軽度膨満している。下腹部に腫瘤を触れ、軽度の圧痛を認める。筋性防御はない。腹部単純エックス線写真(A)と腹部造影CT(B)とを別に示す。
この疾患の原因として最も考えられるのはどれか。
癒着
内服薬
小腸腫瘍
小腸軸捻転
外ヘルニア

解答: e

109A37の解説

多少いじわるだが、良問といえる。画像Aよりイレウスの判定は容易だが、その原因が問われている。107A8を学習して望んだ受験生はaに行ってしまったはずだ。結論から言えば、Bの画像一発問題。右鼠径部からの腸管脱出(右鼠径ヘルニア)を見抜けたか否かが勝負の分かれ目となった。
a 確かにイレウスの原因としては多く、本患者も手術歴があるのだが、ひっかけの選択肢である。
b 服用しているレボドパは消化管運動を低下させるため、これによる便秘はきたしやすくなるも、本疾患とは関係ない。
c 小腸腫瘍はCT上、指摘できない。
d 小腸捻転もCT上、指摘できない。
e 正しい。腹腔外への腸管脱出であり、外ヘルニアである。

正答率:59%

テーマ:腸閉塞(イレウス)の原因病態

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