109E57

72歳の男性。頻尿を主訴に来院した。3年前から夜間に尿意で目が覚めてトイレに行くようになり、3か月前からはその頻度が増してきた。自宅近くの医療機関を受診しα1遮断薬の内服を1か月続けたが軽快しないため紹介されて受診した。起床時に下着はぬれていない。腹部は平坦、軟。直腸指診で小鶏卵大で弾性硬の前立腺を触知する。尿所見に異常を認めない。PSA 2.3ng/mL(基準4.0以下)。腹部超音波検査で前立腺体積は34mLで残尿量は30mL。国際前立腺症状スコア12点(軽症0〜7点、中等症8〜19点、重症20〜35点)。頻度・尿量記録を別に示す。
この患者にみられるのはどれか。2つ選べ
心因性多尿
昼間頻尿
夜間頻尿
夜間多尿
夜間遺尿

解答: c,d

109E57の解説

高齢男性の頻尿。小鶏卵大の前立腺を触れており、前立腺肥大症〈BPH〉が原因として考えやすい。近医でα1遮断薬が処方されていることも納得がいく。問題を解くにあたっては、与えられた記録を1つ1つの用語の定義に当てはめていくこととなる。
a 心因性多尿では夜間尿をみない。
b 昼間頻尿の定義は8回以上トイレにいくことである。
c 正しい。夜間に1回以上トイレに行けば夜間頻尿と定義される。
d 正しい。高齢者では夜間尿量>24時間尿量×1/3であれば夜間多尿と定義される。本症例では(1130+880)/3=670<880であり、夜間多尿あり。
e 起床時に下着はぬれておらず、夜間遺尿はない。

正答率:79%

テーマ:前立腺肥大症〈BPH〉患者の頻度・尿量記録の判読

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