109A51

69歳の女性。手関節の痛みと腫れを主訴に来院した。半年前から手関節の痛みと腫れが持続し、約1週前から痛みが強くなり手指の伸展が自力では行えなくなったため受診した。体温36.0℃。脈拍80/分、整。血圧110/70mmHg。腱断裂の診断で腱移行術が施行された。手術時に採取した手関節滑膜組織と関節周囲組織のH-E染色標本(A、B)を別に示す。
最も考えられる診断はどれか。
滑膜肉腫
関節リウマチ
変形性関節症
サルコイドーシス
色素性絨毛結節性滑膜炎

解答: b

109A51の解説

関節リウマチでの伸筋腱断裂は過去2年間の国試で出題あり(→108D32, 107D44)。三度目の正直といいたいところなのだが、正答率は低かった。画像Aでは滑膜組織への炎症細胞浸潤が、画像Bでは関節周囲組織へのリウマチ様結節(類上皮細胞の放射状配列)がみられる。関節リウマチに合致する所見である。
a 滑膜肉腫では滑膜部分に腫瘤をふれる。
b 正しい。上記の通り。
c 変形性関節症で腱断裂はみない。
d サルコイドーシスで関節病変はみられない。
e 色素性絨毛結節性滑膜炎は膝関節にみられる。手関節はまれ。

正答率:87%

テーマ:病理画像からの関節リウマチ〈RA〉の診断

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