108H25

58歳の男性。30分前に突然背部痛を訴え、顔面を含む左半身麻痺が出現したため搬入された。意識レベルはJCS II-10。体温36.2℃。脈拍76/分。右上肢血圧84/42mmHg、左上肢血圧152/68mmHg。SpO2 98%(マスク4L/分酸素投与下)。血液検査では腎機能障害を認めなかった。頭部CTでは明らかな異常所見を認めなかった。
直ちに行う検査として適切なのはどれか。
脳波検査
頭部血管造影
頭部単純MRI
胸腹部造影CT
心筋血流SPECT

解答: d

108H25の解説

中高齢男性に突然生じた背部痛。common diseaseとしては尿路結石も挙がるが、腎機能障害がみられておらず、否定的。ポイントは左右上肢の血圧差であろう。大動脈解離が考えやすい。左半身麻痺が出現しているのは、右の腕頭動脈の部分で解離が生じ、脳血流が低下したためである。
a~c 頭部の疾患を疑った場合に実施する。
d 正しい。胸腹部造影CTにて、解離が描出される。
e 虚血性心疾患を疑った場合に実施する。虚血性心疾患では血圧の左右差や半身麻痺は出現しない。

正答率:93%

テーマ:大動脈解離を疑う患者に直ちに行う検査

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし