108H24

32歳の男性。建築現場で作業中に約10m転落し、搬入された。来院時、ネックカラーを装着されバックボード上に全脊椎固定されており、意識レベルはJCS I-3で右殿部の痛みがあるという。身長178cm、体重70kg。体温36.4℃。脈拍112/分、整。血圧90/50mmHg。呼吸数24/分。SpO2 100%(リザーバー付マスク10L/分酸素投与下)。気道は開通しており呼吸困難はない。皮膚は蒼白で冷汗を伴い、橈骨動脈の拍動は弱い。明らかな外出血はなく、右下肢は変形は明らかでないが左と比較すると短縮がある。顔面、頸部および胸部に異常を認めない。超音波検査で心嚢、両側の胸腔および腹腔に液体貯留を認めない。胸部エックス線写真に異常を認めない。
次に行うべき単純エックス線撮影の部位はどれか。
頭部
頸椎
腹部
骨盤
右足趾

解答: d

108H24の解説

32歳男性の転落。臨床文を丁寧に読み進めれば、どの部分が損傷されているか分かる。
a・b 「顔面、頸部および胸部に異常を認めない」とある。
c 「両側の胸腔および腹腔に液体貯留を認めない」とある。
d 正しい。「右下肢は変形は明らかでないが左と比較すると短縮がある」とあり、骨盤骨折が考えやすい。骨盤内には複数の太い血管が走行しているため、大量出血の原因となりやすい。
e 右足趾についての記載はない。万が一、外傷があったとしても生命に直結はしない。

正答率:91%

テーマ:骨盤骨折を疑う患者に行うべき単純エックス線撮影の部位

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