108F26

次の文を読み、26、27の問いに答えよ。
68歳の女性。両下腿のむくみを主訴に来院した。
現病歴:1か月前から遠方に住む娘の家を訪れている。3週前から靴が窮屈となり、両足のむくみに気付いた。足に痛みや痒みはなく、歩行困難はない。動悸や息苦しさも自覚していない。最近立ち仕事が多かったためのむくみと考えていたが、改善しないため娘の家の近くの診療所を受診した。60歳で高血圧を指摘され、その後、自宅近くのA医院から降圧薬を継続的に処方されている。2か月前に新たな降圧薬が追加となった。来週には帰宅しA医院を受診する予定となっている。
現 症:意識は清明。身長154cm、体重52kg。体温36.0℃。脈拍72/分。血圧144/86mmHg。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。両足背から下腿にかけて軽度の圧痕を残す浮腫を認める。下肢の色素沈着や紫斑を認めない。
担当医は浮腫の原因疾患を同定するために各種の精査を行った結果、今回の浮腫の原因は、A医院で追加処方された降圧薬の影響であると考えた。
患者への説明や提案として適切なのはどれか。
「主治医を変えた方が良いと思います」
「病気ではありませんので、様子をみてください」
「A医院と連携して解決方法を検討させてください」
「追加になった薬の副作用ですので、こちらでは治療できません」
「むくみをとる薬を出しますので、A医院の薬に追加してください」

解答: c

108F26の解説

近年頻出の、高齢者とクスリについての出題。
a 他院やその医師を否定する発言は好ましくない。
b 「今回の浮腫の原因は、A医院で追加処方された降圧薬の影響であると考えた」とあり、経過観察をするわけにはいかない。
c 正しい。病病連携をとり、問題解決に臨む。
d cとは逆の選択肢。お役所主義的に仕事を投げるのではなく、協力体制の下、患者の問題解決に取り組むことが重要である。
e 薬の副作用を薬で打ち消す、というのは好ましくない。それならばむしろ追加された薬を中止することが先決となろう。

正答率:99%

テーマ:【長文1/2】降圧薬の副作用により浮腫が出現した高齢者への説明・提案

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