108D42

42歳の女性。2日間の咽頭痛と40℃の発熱を主訴に来院した。2か月前に甲状腺機能亢進症と診断され、チアマゾール30mg/日を1か月前から内服している。身長155cm、体重45kg。体温40.2℃。脈拍92/分、整。血圧106/68mmHg。呼吸数40/分。SpO2 98%(room air)。両側の頸部に圧痛を伴う径1~2cmのリンパ節を数個触知する。咽頭の著しい発赤と腫脹を認める。血液所見:赤血球468万、Hb 13.9g/dL、Ht 42%、網赤血球6%、白血球1,300(桿状核好中球0%、分葉核好中球0%、単球1%、リンパ球99%)、血小板21万。血液生化学所見:TSH 0.03μU/mL未満(基準0.2~4.0)、FT3 4.0pg/mL(基準2.5~4.5)、FT4 1.1ng/dL(基準0.8~2.2)。CRP 26mg/dL。胸部エックス線写真に異常を認めない。
抗菌薬の投与とともに行うべきなのはどれか。
顆粒球輸血を行う。
赤血球輸血を行う。
昇圧薬を投与する。
チアマゾールを中止する。
副腎皮質ステロイドを投与する。

解答: d

108D42の解説

チアマゾール内服の副作用についての出題は過去にも多々ある。白血球1,300(桿状核好中球0%、分葉核好中球0%、単球1%、リンパ球99%)と顆粒球の減少を認めることから、無顆粒球症の診断。これにより細菌感染をきたした症例である。
a 顆粒球輸血ではなく、G-CSFを補充する。
b 赤血球数は保たれているため不要。
c 血圧は保たれているため不要。
d 正しい。原因薬剤の中止をまず行う。
e 感染症があり、投与により増悪しかねない。

正答率:87%

テーマ:チアマゾール〈メチマゾール〉による無顆粒球症への対応

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