108D37

22歳の女性。皮疹と発熱とを主訴に来院した。3日前から、感冒様症状に対して市販の総合感冒薬を内服している。総合感冒薬には非ステロイド性抗炎症薬が含まれることは判明しているが、詳細は不明である。昨日から発熱と皮疹とが出現した。意識は清明。身長152cm、体重48kg。体温39.2℃。脈拍84/分、整。血圧104/66mmHg。呼吸数28/分。顔面、四肢および体幹の広範囲の皮膚に紅斑、水疱およびびらんがみられる。水疱とびらんの範囲は体表面積の50%以上である。眼瞼結膜は発赤、眼球結膜は充血している。口腔粘膜にもびらんがみられる。尿所見:蛋白(±)、糖(-)。血液所見:赤血球360万、Hb 11.4g/dL、Ht 38%、白血球9,800、血小板42万。血液生化学所見:総蛋白5.8g/dL、アルブミン2.8g/dL、AST 64U/L、ALT 78U/L、LD 440U/L(基準176~353)、ALP 250U/L(基準115~359)、γ-GTP 43U/L(基準8~50)、尿素窒素28mg/dL、クレアチニン0.8mg/dL。CRP 3.8mg/dL。両手背と腹部の写真を別に示す。
まず投与する治療薬として適切なのはどれか。
免疫抑制薬
抗TNF-α抗体製剤
副腎皮質ステロイド
プロスタグランディン
非ステロイド性抗炎症薬〈NSAIDs〉

解答: c

108D37の解説

総合感冒薬内服後、皮膚に広範囲の熱傷様所見が出現している。「範囲は体表面積の50%以上」とのことで、中毒性表皮壊死症〈toxic epidermal necrolysis;TEN〉の診断となる(10%未満ではStevens-Johnson症候群)。
a 乾癬や水疱症に有効。
b 関節リウマチや乾癬に有効。
c 正しい。副腎皮質ステロイドパルス療法が有効。
d 皮膚潰瘍に有効。
e 病態が悪化しかねず、禁忌。

正答率:94%

テーマ:中毒性表皮壊死症〈TEN〉にまず投与する治療薬

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