108D21

52歳の女性。咳嗽と胸痛とを主訴に来院した。5か月前から咳嗽を自覚していた。昨日から吸気時に右胸痛を自覚するようになったため受診した。既往歴と家族歴とに特記すべきことはない。毎年秋から冬に猪の生肉を自宅で調理して食べる習慣があった。意識は清明。身長157cm、体重57kg。体温36.5℃。脈拍64/分、整。血圧110/72mmHg。呼吸数16/分。SpO2 97%(room air)。心音と呼吸音とに異常を認めない。血液所見:赤血球418万、Hb 13.6g/dL、Ht 42%、白血球6,300(桿状核好中球2%、分葉核好中球38%、好酸球28%、単球2%、リンパ球30%)、血小板20万。CRP 0.2mg/dL。肺野条件の胸部単純CT(A、B)を別に示す。
最も考えられるのはどれか。
肺結核症
肺化膿症
肺吸虫症
肺クリプトコックス症
敗血症性肺血栓塞栓症

解答: c

108D21の解説

52歳女性の右胸痛では胆嚢疾患を鑑別に挙げたいが、「猪の生肉を自宅で調理」という情報と脈絡がない。検査所見にて好酸球分画の増加があり、胸部単純CTでは画像A, Bともに結節影と気胸とを認めている。肺吸虫症を考えたい。
a 肺結核症では空洞性病変をみる。
b・e 肺化膿症や敗血症では体温やCRPの上昇をみる。
c 正しい。上記の通り。
d 肺クリプトコックス症は一般的に免疫不全患者に多い。また、猪の生肉のエピソードに合致しない。

正答率:91%

テーマ:肺吸虫症の診断

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