108C5

浸透圧利尿による多尿をきたすのはどれか。
高血圧
糖尿病
尿崩症
慢性腎盂腎炎
うっ血性心不全

解答: b

108C5の解説

浸透圧利尿とは、尿中に高浸透圧物質が存在することで水が尿細管より再吸収されず、それにより尿量が増えることである。
a 一部の高血圧で夜間多尿をみることが知られている。高血圧患者のうち、通常人より日中のカテコラミン産生量が高いパターンを呈する患者では、腎血管が常時収縮状態にあり、腎血流が低下している。ゆえに日中は体内に水分が貯留することとなる。が、就寝時に副交感神経が優位となり、カテコラミンが相対的に低下してくると糸球体濾過量が増加し、尿量も増加することとなる。いずれにせよ、これは浸透圧利尿の機序とは異なる。
b 正しい。糖尿病では尿中に糖が多く出現し、これが高浸透圧物質として水の再吸収を抑制する。
c 尿崩症はADH産生低下または作用低下により、集合管での水の再吸収障害をみる。高浸透圧物質は関係ない。
d 慢性腎盂腎炎では腎後性の腎不全を呈することがある。尿細管機能が障害された場合、尿濃縮能低下による多尿をみることがある。
e うっ血性心不全では心拍出量が低下するため、一般的に尿量は低下する。

正答率:91%

テーマ:浸透圧利尿による多尿をきたす疾患

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