108B51

頭部CTでは異常を認めなかった。ICUに入室し髄液検査が実施された。
脳脊髄液所見:初圧210mmH2O(基準70~170)、細胞数4,200/mm3(基準0~2)(単核球8%、多形核球92%)、蛋白340mg/dL(基準15~45)、糖18mg/dL(基準50~75)。脳脊髄液のGram染色では細菌は検出されなかった。6時間後に血圧が76/52mmHgに低下し無尿となった。意識レベルはJCSIII-200。体温39.0℃。脈拍112/分。四肢末梢の皮膚は温かい。
この時点の治療として適切なのはどれか。
フロセミド急速静注
アドレナリン急速静注
カルシウム拮抗薬持続静注
ノルアドレナリン持続静注
アセトアミノフェン直腸内投与

解答: d

108B51の解説

血圧が76/52mmHgに低下しているにもかかわらず、四肢末梢の皮膚は温かいという。敗血症性ショックである。
a 利尿薬投与により、さらに血圧が低下してしまう。
b アドレナリン急速静注は心肺停止時に行う。
c カルシウム拮抗薬投与により、さらに血圧が低下してしまう。
d 正しい。敗血症初期のwarm shock時は末梢血管拡張とそれによる静脈還流低下が血圧低下の原因の1つとなる。ゆえにα1刺激薬であるノルアドレナリンが有用。
e 解熱鎮痛作用はあるも、現時点での優先度は低い。

正答率:80%

テーマ:【長文2/3】敗血症性ショックに有効な治療

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