108A60

58歳の男性。頑固な不眠と日中の眠気とを主訴に妻に伴われて来院した。2年前から熟睡感がないと訴えるようになり、日中の疲労感が強く、よく居眠りをするようになった。職場では上司から仕事の能率低下を指摘されている。妻によると、2年前から夜間のいびきがひどく、時々呼吸が止まったようになるとのことであった。意識は清明。抑うつ気分や不安を認めない。身長165cm、体重90kg。体温36.7℃。脈拍88/分、整。血圧140/88mmHg。呼吸数14/分。SpO2 96%(room air)。咽喉頭に異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。ポリソムノグラフィにて無呼吸指数48(基準5未満)。
この患者に行うべき対応として適切なのはどれか。3つ選べ
体重の減量
口腔内装具
間欠的強制換気〈IMV〉
持続的気道陽圧法〈CPAP〉
ベンゾジアゼピン系薬投与

解答: a,b,d

108A60の解説

中高年の肥満(BMI=33)男性で「夜間のいびきがひどく、時々呼吸が止まったようになる」とのことで、睡眠時無呼吸症候群〈SAS〉を考えたい。
a 正しい。上気道の軟部組織量(脂肪を含む)を減らすことで、上気道閉塞が改善する。
b 正しい。いわゆるマウスピース。これにより下顎が後退することを予防し、上気道狭窄を改善させる。
c 自発呼吸と人工呼吸による呼吸を折衷させた呼吸であり、SASの治療には使用されない。
d 正しい。自発呼吸を残しつつ、呼気にも陽圧をかけることで、上気道狭窄が改善する。
e 筋弛緩により舌根沈下を増悪させるため、禁忌となる。

正答率:92%

テーマ:睡眠時無呼吸症候群〈SAS〉への対応

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