108A50

42歳の女性。顔面と四肢の皮疹および易疲労感を主訴に来院した。1か月前から顔面と四肢とに紅斑が出現した。2週前から易疲労感があり、軽度ではあるが四肢の近位に筋肉痛も自覚していた。意識は清明。身長158cm、体重64kg。体温37.4℃。脈拍72/分、整。血圧138/82mmHg。呼吸数16/分。顔面と四肢伸側に紅斑を認める。尿所見:蛋白(-)、糖(-)。赤沈58mm/1時間。血液所見:赤血球380万、Hb 10.8g/dL、Ht 36%、白血球9,400、血小板32万。血液生化学所見:総蛋白6.8g/dL、アルブミン2.8g/dL、AST 112U/L、ALT 38U/L、LD 620U/L(基準176~353)、ALP 256U/L(基準115~359)、γ-GTP 32U/L(基準8~50)、CK 320U/L(基準30~140)、尿素窒素24mg/dL、クレアチニン0.6mg/dL。CRP 0.8mg/dL。右手背の写真を別に示す。
この疾患に最も特異度が高い自己抗体はどれか。
抗Jo-1抗体
抗dsDNA抗体
抗セントロメア抗体
抗カルジオリピン抗体
抗トポイソメラーゼⅠ抗体

解答: a

108A50の解説

近位の筋痛であり、ミオパチーが疑われる。これはCKの上昇からも裏付けられる。顔面の紅斑は非特異的であるが、写真にもある手の紅斑はGottron徴候である。皮膚筋炎〈DM〉の診断。
a 正しい。抗Jo-1抗体の特異度が高い。
b 抗dsDNA抗体は全身性エリテマトーデスでみる。
c 抗セントロメア抗体は全身性硬化症〈SSc〉の中でもCREST症候群でみる。
d 抗カルジオリピン抗体は抗リン脂質抗体症候群でみる。
e 抗トポイソメラーゼⅠ抗体はScl-70抗体ともよばれ、全身性硬化症〈SSc〉でみる。

正答率:89%

テーマ:皮膚筋炎〈DM〉に最も特異度が高い自己抗体

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