108A48

75歳の女性。左手関節部の腫脹と疼痛を主訴に来院した。歩行中につまずき左手をついて転倒したとのことである。手関節部以外に外傷はなく、他に治療中の疾患はない。手関節部から手指まで高度の腫脹を認めた。来院時のエックス線写真にて骨折を認めた。伝達麻酔下に徒手整復し手関節屈曲尺屈位で良好な整復位が得られ、その位置で肘上から手指までのギプス固定を行った。消炎鎮痛薬を処方し帰宅させたが、6時間後に手指の腫脹が進行し指尖が暗紫色となり消炎鎮痛薬が無効な強い疼痛を訴えて受診した。
対応として最も適切なのはどれか。
患肢挙上
ギプス除去
オピオイド投与
ウロキナーゼ投与
星状神経節ブロック

解答: b

108A48の解説

ギプス固定6時間後に手指の腫脹が進行し指尖が暗紫色となったとあり、コンパートメント症候群が考えられる。画像より橈骨遠位端骨折(Colles骨折)と診断され、これを整復後にギプス固定したことで、筋区画の循環障害が悪化したのであろう。
a うっ血が原因となっているわけではなく、無効。
b 正しい。循環障害を是正すべく、ギプスを除去すべき。
c・e 鎮痛作用はあるも、原因治療になっていない。
d 血栓症ではなく、無効。

正答率:95%

テーマ:コンパートメント症候群〈区画症候群〉への対応

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし