108A29

46歳の男性。全身倦怠感、発熱および左季肋部違和感を主訴に来院した。4年前に慢性骨髄性白血病の慢性期の診断で1年間イマチニブ治療を受けていた。その後3年間受診せずそのままにしていた。末梢血血液検査で白血球30,400、骨髄芽球が56%であった。末梢血白血球bcr/abl FISH法検査の写真を別に示す。
4年前と比較し、現在の患者の所見として考えられるのはどれか。
脾腫の縮小
血小板数増加
骨髄細胞数減少
染色体付加異常の出現
好中球アルカリフォスファターゼ低値

解答: d

108A29の解説

慢性骨髄性白血病〈CML〉の慢性期の診断後、イマチニブ治療を受け、その後治療中断してしまっている。その状況下で全身倦怠感、発熱および左季肋部違和感が出現しているため、CMLの急性転化を考えたい。
a 急性転化により脾腫が増強する。「左季肋部違和感」もヒントとなる。
b 急性転化により血小板は減少する。
c 急性転化により骨髄中の異常細胞は著増する(→dry tap)。
d 正しい。FISH法の画像にて、通常のCMLではbcr/ablは1つのみのはずが、本患者では3つみられている。これを染色体付加異常の出現と呼ぶ。急性転化で新たに染色体異常が出現したのだ。
e 急性転化により好中球アルカリフォスファターゼ〈NAP〉は増加する。

正答率:84%

テーマ:CML急性転化で転化前と比較した所見

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