108A58

67歳の女性。1週前からの発熱を主訴に来院した。両側の頸部と鼠径部に径1~2cmのリンパ節を数個ずつ触知する。右肋骨弓下に肝を2cm、左肋骨弓下に脾を3cm触れる。血液所見:赤血球360万、Hb 12.0g/dL、Ht 34%、白血球22,000(桿状核好中球4%、分葉核好中球21%、好酸球1%、好塩基球1%、単球2%、リンパ球39%、異型リンパ球32%)、血小板14万。血液生化学所見:AST 38U/L、ALT 41U/L、LD 2,403U/L(基準176~353)。免疫血清学所見:CRP 0.6mg/dL、抗HTLV-1抗体陽性。末梢血塗抹May-Giemsa染色標本を別に示す。
この患者にみられる所見として考えられるのはどれか。2つ選べ
血清Ca高値
CD4/CD8低値
直接Coombs試験陽性
可溶性IL-2受容体高値
CD20陽性リンパ球増多

解答: a,d

108A58の解説

抗HTLV-1抗体陽性、画像におけるflower cellから、成人T細胞白血病〈ATL〉の診断は容易。異型リンパ球が出現することも確認されたい。
a 正しい。ATLではPTHrP産生による偽性副甲状腺機能亢進症をみる。
b CD4陽性Tリンパ球が増加し、CD4/CD8は高値を示す。
c 直接Coombs試験陽性は自己免疫性溶血性貧血〈AIHA〉でみる。
d 正しい。可溶性IL-2受容体は、リンパ系疾患で高値となる
e CD20陽性リンパ球増多は、B細胞系のリンパ腫でみる。

正答率:67%

テーマ:成人T細胞白血病〈ATL〉にみられる所見

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