107I73

5歳の男児。発熱と咳嗽とを主訴に来院した。3日前から39℃の発熱と強い乾性咳嗽とが出現した。診察中に刺激性の咳嗽が著明であった。肺の聴診で明らかな副雑音は聴取されなかった。血液所見:赤血球436万、Hb 13.8g/dL、Ht 40%、白血球9,000(桿状核好中球5%、分葉核好中球55%、好酸球3%、単球5%、リンパ球32%)、血小板26万。CRP 3.5mg/dL。寒冷凝集反応1,024倍(基準128以下)。胸部エックス線写真を別に示す。
確定診断に有用な検査はどれか。2つ選べ。(編注:検査技術の発展により、現在の正答は2つ)
喀痰培養
咽頭培養
血清抗体価
ツベルクリン反応
咽頭ぬぐい液迅速検査

解答: c,e

107I73の解説

5歳男児の発熱と咳嗽。診察中に刺激性の咳嗽が著明であり、CRPも上昇している割には、白血球が9,000と正常~やや上昇程度であるのが奇異に感じる。画像では右下肺野に浸潤影があるも、これは非特異的な変化であり手がかりにならない。寒冷凝集反応が1,024倍と高値であることからマイコプラズマ肺炎を考えよう。マイコプラズマ感染症ではCRPが上昇するも、白血球数は不変であるのが特徴的。
a・b これらより採取した検体をPPLO培地にて培養することは可能である。が、検査に1~3週程度かかることから迅速性に欠け、通常は診断に用いられない。
c 正しい。マイコプラズマの血清抗体価を測定し、確定診断を行う。
d ツベルクリン反応は結核やBCG接種の既往を確かめるべく行う。
e 正しい。2011年10月より咽頭ぬぐい液迅速検査も保険適用となっている。
※出題当時はcのみが正解であったが、現在の正答は2つである。

正答率:63%

テーマ:マイコプラズマ肺炎の確定診断に有用な検査

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