107I48

24歳の女性。両眼が見えにくいことを主訴に来院した。両眼の前房に炎症細胞を認める。視力は右0.7(矯正不能)、左0.6(矯正不能)。右眼の眼底写真(A)、蛍光眼底造影写真(B)及び光干渉断層像〈OCT〉(C)を別に示す。左眼も同様の所見である。
この疾患でみられないのはどれか。
難聴
眼底出血
感冒様症状
夕焼け状眼底
脳脊髄液細胞増多

解答: b

107I48の解説

両眼の前房に炎症細胞がみられており、前房蓄膿を想像するのは容易であろう。ただし、前房蓄膿→Behcet病と短絡的にキーワードでつないではならない。前房蓄膿は虹彩毛様体炎が存在することを示唆しているにすぎないのだ。ゆえに、ぶどう膜炎の鑑別を行うこととなる。画像A, Bでは視神経乳頭から広がる網膜剥離が指摘できる。画像Cでは網膜下の液体貯留がみられ、漿液性網膜剥離が考えられる。後眼部にまで広がるぶどう膜炎としてはVogt-小柳-原田病〈原田病〉を考えたい。
a・d 原田病に特徴的な所見である。
b 誤り。貯留しているのは漿液成分である。眼底出血はない。
c 原田病の前駆として感冒様症状をみる。
e 原田病では無菌性髄膜炎をみる。

正答率:64%

テーマ:Vogt-小柳-原田病の症状

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