107H28

63歳の女性。血便を主訴に来院した。4か月前から便に血が混じるようになり、持続しているため心配して受診した。体温36.4℃。脈拍72/分、整。血圧124/66mmHg。血液所見:赤血球350万、Hb 10.3g/dL、Ht 30%、白血球6,600、血小板35万。血液生化学所見:総蛋白6.2g/dL、アルブミン3.3g/dL、AST 25U/L、ALT 33U/L、LD 300U/L(基準176~353)。注腸造影像(A)と肛門縁から3cmの部位の大腸内視鏡像(B)とを別に示す。
次に行う検査として適切なのはどれか。
胸腹部CT
直腸内圧測定
腹部血管造影
超音波内視鏡検査
半年後の大腸内視鏡検査

解答: a

107H28の解説

高齢者の血便では癌を疑いたい。事実、画像Aではapple core signがみられており、画像B(肛門縁から3cmとあり、直腸であろう)では2/3周性の腫瘍がみられている。直腸癌の診断。貧血やアルブミン低下がみられるのも本疾患と関係があるのかもしれない。
a 正しい。原発巣を把握した後には、その広がりをみることとなる。胸腹部CTにて遠隔転移の有無を検索する。
b Hirschsprung病に有効な検査である。
c 腹部血管の奇形や出血、血栓がみられた場合に有効な検査である。
d 壁進達度をみるのに有効な検査だが、これは早期癌か進行癌かを分けることを主たる目的としており、今画像A, Bより明らかな進行癌であることから不要である。
e 半年間の経過観察後では救命できる確率が格段に低下してしまう。

正答率:83%

テーマ:血便を主訴に来院した直腸癌患者に対して注腸造影と内視鏡の次に行う検査

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