107G57

65歳の男性。左上下肢の脱力を主訴に来院した。1週前から左上下肢の脱力が時々出現し、5分ほどで改善していた。受診時、神経学的な診察で異常所見を認めない。体温36.5℃。脈拍60/分、整。血圧140/72mmHg。心電図で異常を認めない。頭部単純MRIで異常を指摘され検査目的で入院となった。脳血管造影の右総頸動脈側面像を別に示す。
この患者に血管内治療を行う場合に適切なのはどれか。
硬化療法
動脈塞栓術
血栓溶解療法
ステント留置術
フィルター留置術

解答: d

107G57の解説

1週前から時々左上下肢の脱力が出現しており、一過性脳虚血発作〈TIA〉が考えやすい。画像では内頸動脈起始部に狭窄がみられており、これが原因と考えられる。
a 硬化療法は食道や下肢の静脈瘤に有効。
b 動脈塞栓術は肝細胞癌や腫瘍臓器破裂による大量出血に有効。
c 画像でみられている狭窄は血栓によるものではなく、動脈硬化によるものである。血栓溶解療法は無効。
d 正しい。ステントを留置し、狭窄部位を拡張させる。
e フィルター留置術は深部静脈血栓〈DVT〉の存在下で肺血栓塞栓を予防するのに有効。

正答率:97%

テーマ:一過性脳虚血をみる内頸動脈系の狭窄に対して行う血管内治療

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし