107F23

36歳の男性。会社の健康診断で初めて異常値を指摘されて来院した。自覚症状はない。既往歴に特記すべきことはない。間食が多く、夜は外食が多い。運動は特にしていない。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。父親が高血圧症、脂質異常症および糖尿病のため治療中である。身長170cm、体重81kg、腹囲96cm。脈拍80/分、整。血圧138/82mmHg。肥満以外に身体診察で異常を認めない。尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)。血液生化学所見:空腹時血糖103mg/dL、HbA1c 6.3%(基準4.6~6.2)、尿素窒素12mg/dL、クレアチニン0.7mg/dL、トリグリセリド183mg/dL、HDLコレステロール35mg/dL、LDLコレステロール152mg/dL、AST 32U/L、ALT 30U/L、γ-GTP 46U/L(基準8~50)。
まず行う対応として適切なのはどれか。
食事・運動の指導
スルホニル尿素薬の投与
フィブラート系薬の投与
HMG-CoA還元酵素阻害薬の投与
アンジオテンシンII受容体拮抗薬の投与

解答: a

107F23の解説

腹囲 >85cm、収縮期血圧>130mmHg、トリグリセリド>150mg/dL、HDLコレステロール<40mg/dLと、メタボリックシンドロームの診断基準を満たしている。何かしらの対応が必要であるが、自覚症状のない36歳男性が健康診断で初めて異常値を指摘された段階であり、積極的な投薬を開始する局面とは思えない。
a 正しい。まずは食事・運動療法を指導する。
b 空腹時血糖103mg/dl・HbA1c(NGSP)6.3%は糖尿病の診断基準を満たしておらず、経口血糖降下薬は不要である。
c 高トリグリセリド血症に有効であるが、現時点でいきなり導入する必要性は低い。
d 高コレステロール血症に有効であるが、現時点でいきなり導入する必要性は低い。
e 降圧薬であるが、現時点でいきなり導入する必要性は低い。

正答率:99%

テーマ:生活習慣病の36歳男性にまず行う対応

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