107E55

70歳の男性。歩行障害を主訴に来院した。10年前に右手の振戦が出現し、Parkinson病と診断され、以後内服薬治療を継続している。次第に体の自由が利かなくなった。ここ数年体重の変化はなかった。意識は清明で認知障害はない。眼球運動は正常で仮面様顔貌と構語障害とがあり小声で早口である。四肢では特に右上肢で中等度の筋強剛と静止時振戦とを認める。起立は自力でできるが、姿勢反射障害があり突進現象がみられる。Romberg徴候は陰性で感覚障害はなく、腱反射は正常である。
現時点のリハビリテーションで最も有用なのはどれか。
促通訓練
歩行訓練
装具療法
失語症訓練
関節可動域訓練

解答: b

107E55の解説

歩行障害を主訴としているParkinson病患者への適切なリハビリテーションを選ぶ問題。姿勢反射障害があり突進現象がみられるため、転倒しやすい状況を改善する対処が望ましい。
a 促通とは動かなくなってしまった手足を他動的に動かし、神経路に興奮を与える手技である。片麻痺に有効。
b 正しい。歩行障害が主訴である以上、歩行訓練が最も必要と考えられる。
c 骨折や運動神経・筋障害に有効。
d 「小声で早口」という記載から読み取れるように、失語はない。
e 関節可動域訓練は廃用症候群の予防に有効。最も有用なリハビリテーションとは言えない。

正答率:84%

テーマ:歩行障害が出現したParkinson病のリハビリテーション

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