107D57

9歳の男児。発熱、腹痛および下痢を主訴に来院した。夏休みに少年野球の合宿に参加していた。合宿から帰宅した翌日の昼から38℃台の発熱、強い腹痛および頻回の水様下痢があり、血便が認められることもあったという。診察の結果、入院が必要と判断された。さらに患児以外の6名の少年が同様の症状を訴え入院となった。症状を有する全員が前日の昼に合宿打ち上げのバーベキューパーティーで鶏肉を食べたという。入院時の血液所見:赤血球425万、Hb 13.5g/dL、Ht 42%、白血球13,200(桿状核好中球8%、分葉核好中球66%、単球3%、リンパ球23%)、血小板24万。CRP 9.3mg/dL。腹部は平坦、軟で、腸雑音は軽度亢進している。臍周囲に圧痛を認める。入院2日目に腹痛と血便とは消失し、体温も37℃台と解熱傾向にある。
原因と考えられるのはどれか。2つ選べ
サルモネラ
ロタウイルス
ノロウイルス
黄色ブドウ球菌
カンピロバクター

解答: a,e

107D57の解説

バーベキューパーティーで鶏肉を食べた後に血便がみられているため、食中毒を考える。同様の症状を訴えている少年がいることも矛盾しない。潜伏期がおよそ24時間であること、鶏肉が原因となったこと、血便がみられていること、などから選択肢を絞り込んでいく。
a・e 正しい。サルモネラやカンピロバクターによる食中毒に合致する所見である。
b 白色便をみる。
c 水様性下痢をみる。
d 握り飯や弁当が原因となり、かつ潜伏期が数時間とかなり短い。また、血便をみない。

正答率:86%

テーマ:鶏肉による食中毒の原因

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