107B58

次の文を読み、58~60の問いに答えよ。
57歳の男性。便潜血検査で異常を指摘され精査のため来院した。
現病歴:50歳時に大腸ポリープで内視鏡的切除術を受けた。その後、特に症状を認めないためそのままにしていた。先日、同僚が大腸癌で手術を受けたため、自分も癌ではないかと気になり自宅近くの診療所を受診した。尿検査、血液検査および腹部超音波検査で異常はなく、便潜血検査で陽性を指摘され受診した。
既往歴:28歳時に急性虫垂炎で手術。
生活歴:喫煙は20本/日を25年間。飲酒はビール350ml/日を35年間。2年前から禁煙、禁酒している。
家族歴:父親が大腸癌のため89歳で死亡。
現 症:身長165cm、体重67kg。体温36.6℃。脈拍72/分、整。血圧130/84mmHg。呼吸数14/分。右下腹部に軽度の圧痛と手術後の瘢痕とを認める。筋性防御と反跳痛とを認めない。腫瘤を触知しない。
検査所見:血液検査:赤血球420万、Hb 13.4g/dL、Ht 42%、白血球8,200、血小板28万。血液生化学所見:総蛋白7.2g/dL、アルブミン3.8g/dL、総コレステロール230mg/dL、AST 36U/L、ALT 36U/L。CRP 0.03mg/dL。これまでの臨床経過と既往歴から下部消化管内視鏡検査を行った。下行結腸の内視鏡像を別に示す。
診断はどれか。
潰瘍性大腸炎
虚血性大腸炎
進行大腸癌
大腸憩室
大腸ポリープ

解答: e

107B58の解説

画像にて有茎性の大腸ポリープが指摘できる。現病歴や生活歴・家族歴からは大腸癌を考えさせるような誘導となっているが、揺らいではならない。
a 潰瘍性大腸炎〈UC〉ではハウストラの消失や血管透見性の消失をみる。
b 虚血性大腸炎では出血や潰瘍をみる。
c 進行大腸癌では腫瘤が不整な形態をとる。
d 大腸憩室では憩室に該当する陥凹をみる。
e 正しい。上記の通り。

正答率:97%

テーマ:【長文1/3】再発性大腸ポリープの診断

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