107A37

64歳の女性。頻尿と尿意切迫感とを主訴に来院した。1週前から自宅近くの診療所で抗菌薬を投与されていたが改善しないため受診した。尿所見:蛋白(±)、糖(-)。沈渣に赤血球1~4/1視野、白血球1~4/1視野、細菌(-)。尿細胞診クラスII(陰性)。腹部超音波検査で残尿を認めない。
次に行うべき対応として適切なのはどれか。
飲水制限
抗菌薬の変更
抗不安薬の経口投与
α1遮断薬の経口投与
抗コリン薬の経口投与

解答: e

107A37の解説

高齢女性の頻尿と尿意切迫感では過活動膀胱を考える。むろん膀胱炎(本症例では抗菌薬無効かつ尿沈渣での細菌陰性であり考えにくい)や膀胱腫瘍(本症例では尿細胞診陰性であり考えにくい)も除外することが重要である。腹部超音波検査で残尿を認めておらず、排尿の障害ではなく、蓄尿の障害であることが分かる。過活動膀胱に矛盾しない。
a・c 心因性多飲による頻尿に有効。
b 依然として膀胱炎など尿路感染を疑った場合に有効。
d 前立腺肥大症〈BPH〉に有効だが、女性に前立腺は存在しない。また、BPHであれば残尿をみる。
e 正しい。抗コリン薬により、排尿筋の収縮を低下させることができる。

正答率:64%

テーマ:過活動膀胱への対応

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