107A36

68歳の女性。心窩部痛を主訴に来院した。昨日から心窩部痛が出現し、次第に増悪してきたため受診した。意識は清明。体温37.8℃。脈拍92/分、整。血圧186/78mmHg。呼吸数16/分。眼球結膜に黄染を認めない。心窩部に圧痛を認める。肝・脾を触知しない。血液所見:赤血球419万、Hb 12.7g/dL、Ht 38%、白血球17,200(桿状核好中球7%、分葉核好中球76%、単球3%、リンパ球14%)、血小板21万。血液生化学所見:総蛋白6.2g/dL、アルブミン3.0g/dL、尿素窒素11mg/dL、クレアチニン0.5mg/dL、総ビリルビン1.2mg/dL、AST 51U/L、ALT 120U/L、ALP 390U/L(基準115~359)、γ-GTP 70U/L(基準8~50)、アミラーゼ40U/L(基準37~160)。CRP 20mg/dL。腹部単純CTを別に示す。抗菌薬の投与と経皮経肝胆嚢ドレナージとを行った。
次に行う治療として適切なのはどれか。
胆嚢摘出術
肝右葉切除術
総胆管空腸吻合術
体外衝撃波結石破砕術
ウルソデオキシコール酸の経口投与

解答: a

107A36の解説

高齢女性の心窩部痛。CRPが20mg/dlと高度上昇しており、強い細菌感染が示唆される。その原因だが、腹部単純CTにて胆嚢の腫大と胆嚢管結石が指摘できる。ビリルビン上昇やそれによる黄疸はみられておらず、総胆管は開存していると思われる。
a 正しい。胆嚢管結石ごと胆嚢を摘出してしまえばよい。
b 肝右葉切除術は肝細胞癌などに有効。
c 総胆管空腸吻合術は総胆管結石に有効。
d・e 体外衝撃波結石破砕術やウルソデオキシコール酸(胆石溶解薬・利胆薬)は急性期には用いない。

正答率:83%

テーマ:胆道結石の治療

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