107A25

53歳の男性。発熱と全身の皮疹とを主訴に来院した。脳腫瘍術後に出現したてんかんに対し1か月前からカルバマゼピン内服を開始した。2日前から顔面と頸部とに紅斑が出現し、全身に拡大した。発熱もみられたため受診した。体温38.5℃。頸部リンパ節腫脹を認める。全身に紅斑を認める。口腔粘膜に異常を認めない。血液所見:赤血球420万、Hb 13.5g/dL、Ht 41%、白血球12,300(好中球59%、好酸球15%、好塩基球1%、単球7%、リンパ球11%、異型リンパ球7%)、血小板13万。血液生化学所見:AST 88U/L、ALT 91U/L、LD 425U/L(基準176~353)。CRP 3.3mg/dL。胸腹部の写真を別に示す。なお、初診時に比べ、4週後の再診時には抗ヒトヘルペスウイルス6 IgG抗体価の有意な上昇を認める。
最も考えられるのはどれか。
膿疱性乾癬
Gibertばら色粃糠疹
Stevens-Johnson症候群
ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群
薬剤性過敏症症候群〈drug-induced hypersensitivity syndrome〉

解答: e

107A25の解説

カルバマゼピン内服開始後1か月で皮疹が出現している。画像上、体幹に小紅斑と丘疹が多発している。好酸球と異型リンパ球が出現していること、AST・ALTの上昇より肝機能障害がみられること、再診時に抗ヒトヘルペスウイルス6 IgG抗体価上昇があることなどと合わせ、薬剤性過敏症症候群〈DIHS〉の診断となる。ヘルペスウイルスの再活性化が本症の原因となる。
a 文字通り、膿疱がみられるはずである。
b クリスマスツリー様の皮疹がみられるはずである。
c Stevens-Johnson症候群〈SJS〉では服薬後数日で症状がみられる。また、粘膜疹がみられやすい。
d ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群〈SSSS〉は乳児に好発する。黄色ブドウ球菌が産生する毒素が原因となる。
e 正しい。上記の通り。

正答率:82%

テーマ:薬剤性過敏症症候群〈DIHS〉の診断

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