107D38

38歳の女性。発熱と咽頭痛とを主訴に来院した。10日前に38℃の発熱と咽頭痛のため自宅近くの診療所を受診したところ、「風邪でしょう」と言われ、消炎鎮痛薬を処方され3日間内服した。一旦症状は軽快したものの、昨日から強い咽頭痛と39℃の発熱とが出現した。血圧110/80mmHg。咽頭発赤と両側の扁桃腫大とを認める。呼吸音に異常を認めない。腹部に圧痛を認めない。血液所見:赤血球430万、Hb 14.8g/dL、Ht 45%、白血球1,100(桿状核好中球6%、分葉核好中球12%、好酸球5%、単球6%、リンパ球71%)、血小板25万。
まず行うべき対応として適切なのはどれか。
顆粒球輸血
広域スペクトル抗菌薬の投与
昇圧薬の投与
同一の消炎鎮痛薬の再投与
副腎皮質ステロイドの投与

解答: b

107D38の解説

消炎鎮痛薬服用後に症状が再燃し、かつ白血球が1,100と高度低下をみている。リンパ球は71%とまだ保たれており、顆粒球減少がメインであることから、薬剤性の無顆粒球症を考えたい。これにより細菌感染が増悪したと考えられる。
a 顆粒球輸血は行わない。顆粒球コロニー刺激因子〈G-CSF〉の投与が有効。
b 正しい。細菌感染にかかりやすい状態となっている。万全を期すべく広域スペクトル抗菌薬の投与を行う。
c 血圧は110/80mmHgと保たれているため、昇圧薬は不要。
d 同一の消炎鎮痛薬の再投与は血球減少に拍車をかけてしまう。禁忌。
e 感染症の存在下に副腎皮質ステロイド投与は禁忌である。

正答率:68%

テーマ:薬剤性無顆粒球症への対応

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