107C26

次の文を読み、26、27の問いに答えよ。
56歳の男性。胸痛を主訴に来院した。
現病歴:2時間前にテレビを見ていたとき突然、前胸部の締めつけられるような痛みを感じた。痛みは約15分続いた後いったん消失した。1時間前から再び出現したため家族の運転する自家用車で来院した。来院時には胸痛は消失していた。
既往歴:51歳時に健康診断で高血圧を指摘されたが治療は受けていない。
家族歴:特記すべきことはない。
確認すべき症候のうち、緊急度の高い疾患の可能性を下げるのはどれか。
冷や汗
移動する背部痛
安静時の息苦しさ
腕に放散する痛み
触診で再現される胸痛

解答: e

107C26の解説

高血圧の背景がある中高年男性の締めつけられるような胸痛。急性心筋梗塞〈AMI〉を念頭におきつつも、種々の鑑別疾患を除外していくこととなる。
a 冷や汗は交感神経の興奮(すなわち緊急対応の必要性)を意味する。
b 移動する背部痛では大動脈解離を考えたい。
c 安静時の息苦しさでは肺水腫(すなわち左心不全)を考えたい。
d 腕に放散する痛み(放散痛)ではAMIを考えたい。
e 誤り。触診で再現される胸痛では皮膚や神経の障害が考えられる。これらに緊急性は乏しい。

正答率:93%

テーマ:【長文1/2】虚血性心疾患を疑う患者で緊急性を下げる症候

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし