107A23

78歳の男性。「誰もいないのに知らない人が部屋に見える」と訴え、来院した。妻によると、数年前から日中は眠そうでぼう然としていることがしばしばあり、徐々に物忘れが目立ってきたという。動作は緩慢で、小刻みに歩く。
この疾患でみられるのはどれか。
常同行動
滞続言語
言語蹉跌
全生活史健忘
レム〈REM〉睡眠行動障害

解答: e

107A23の解説

「誰もいないのに知らない人が部屋に見える」とあり、幻視がある。物忘れ(→認知症)、緩慢な動作と小刻み歩行(→Parkinsonism)と合わせ、Lewy小体型認知症〈DLB〉の診断。日中は眠そうでぼう然としていることがあるとのことで、夜間に睡眠不足をきたしうる病態の合併も予想される。
a・b 常同行動や滞続言語(同じ内容を会話内で繰り返す)は前頭側頭型認知症でみる。
c 言語蹉跌(音の反復や重複、脱落がみられる)は神経梅毒でみる。
d 全生活史健忘(自分の姓名や年齢などを言えない)はヒステリーでみる。
e 正しい。DLBにはREM睡眠行動障害を合併しやすい。これによる日中の眠気が考えられる。

正答率:90%

テーマ:Lewy小体型認知症〈DLB〉の症候・合併症

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