106G47

15歳の女子。体重減少を心配した母親に伴われて来院した。友人に「太っているね」とからかわれたことを気にして、1年前から低カロリー食品を好むようになり、体重を毎日測定するようになった。1年前の体重は51kgであった。初経は12歳。身長156cm、体重38kg。体温35.7℃。脈拍44/分、整。血圧98/58mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。血液所見:赤血球326万、Hb 10.1g/dL、Ht 30%、白血球3,200、血小板32万。血液生化学所見:総蛋白6.1g/dL、尿素窒素17mg/dL、クレアチニン0.5mg/dL、総コレステロール275mg/dL。
体重減少の鑑別診断に必要な情報で最も重要なのはどれか。
不眠
食欲低下
尿量減少
月経の状態
リストカットの既往

解答: d

106G47の解説

思春期女性で体型をからかわれたエピソード、カロリー制限、体重減少から神経性食思不振症〈AN〉を考える。
a うつ病で重要な情報。
b 低カロリー食品を好んでおり、食欲低下は当然あると思われる。確認すべき情報としては有用性が低い。
c 脱水により尿量減少する可能性はあるも、こちらも予測の範囲内であり、確認すべき情報としては有用性が低い。
d 正しい。ANの診断には体重減少による続発性無月経の確認が有用。
e 境界型人格障害で重要な情報。

正答率:86%

テーマ:神経性食思不振症〈神経性食欲不振症〉〈AN〉における体重減少の鑑別診断に必要な情報

フォーラムへ投稿

関連トピック