106G46

53歳の女性。会社の健康診断で心雑音を指摘され来院した。脈拍72/分、整。血圧132/60mmHg。胸骨左縁第3肋間を最強点とするII/VI度の拡張期雑音を聴取する。カラードプラ心エコー図を別に示す。
この疾患で拡張期雑音を聴取しやすくするための手法はどれか。
過換気にさせる。
下肢を挙上させる。
右側臥位にさせる。
頸動脈洞マッサージを行う。
座位で上半身を前傾させる。

解答: e

106G46の解説

心雑音を指摘された53歳女性。胸骨左縁第3肋間で拡張期雑音を聴取する。心エコー図(長軸断面像)では大動脈弁から左室へ向かう逆流ジェットを認めており、大動脈弁閉鎖不全症〈AR〉の診断となる。
a 深吸気により右心系の流量を増強させ(右心系の)雑音を増強させる手技としてRivero-Carvallo徴候があるが、過換気ではないし、ARは左心系であるので混同しないように注意してほしい。
b △。下肢挙上により前負荷が増大する。そのため雑音は増強するか、減弱するか、の究極の二択となった場合、増強する。が、本問ではeという明らかな正解があるため、選ばれない。
c 右側臥位で雑音は増強しない。左側臥位は僧帽弁由来の心雑音や左心系の過剰音(III音、IV音)を聴取しやすくする。
d 頸動脈洞マッサージは発作性上室性頻拍症〈PSVT〉の治療法の一つである。
e 正しい。上半身を前傾させると後負荷が増大するため逆流音が増強する。

正答率:79%

テーマ:大動脈弁閉鎖不全症〈AR〉で拡張期雑音を聴取しやすくなるための手法

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