106F30

次の文を読み、30、31の問いに答えよ。
63歳の女性。「鼻血を止める方法を教えてください」と救急外来に電話があった。
現病歴:本日19時から、自宅で特に誘因なく鼻出血が出現した。30分たっても止血しないため、救急外来に電話したという。
既往歴:約10年前に高血圧症と診断され、自宅近くの診療所で降圧薬を処方されている。
自宅で実施可能な手当の説明として適切なのはどれか。
「仰向けで安静にしてください」
「おでこを氷嚢で冷やしてください」
「首の後ろをトントンと軽く叩いてください」
「前かがみの姿勢で鼻を強くつまんでください」
「ティッシュペーパーを丸めて鼻の穴に詰めてください」

解答: d

106F30の解説

日常で見られる鼻出血のほとんどは、Kiesselbach部位(鼻中隔)からの出血であり、鼻翼からの圧迫止血で改善がみられることが多い。しかし、高血圧や抗凝固薬内服など特別な既往がある場合は注意する。どんな出血も、初手は圧迫止血である。
a 血液が気道へ流れ込む危険性があり、推奨できない。
b エビデンスがない。
c エビデンスがない。高齢者では、後頸部を叩くことで神経障害や頭蓋内出血を引き起こす可能性すらある。
d 正しい。前かがみになるのは、血液の誤飲を防ぐ効果がある。
e 圧迫止血の意味があると考えられるが、十分な圧迫が得られない可能性があり適切とは言えない。

正答率:96%

テーマ:【長文1/2】電話で問い合わせのあった鼻出血への対応

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