106E53

56歳の女性。2年前から再生不良性貧血で治療中である。本日、赤血球輸血を行ったところ、輸血開始から約15分後に、全身の掻痒感と呼吸困難とを訴えた。これまでにも輸血を受けているが、同様の症状は経験していない。脈拍116/分、整。血圧72/50mmHg。呼吸数24/分。SpO2 90%(room air)。全身の皮膚は発赤し、膨疹が広がっている。両側の胸部にwheezesを聴取する。直ちに輸血を中止した。
次に行うべき対応として適切なのはどれか。
気管挿管
利尿薬の投与
アドレナリンの投与
胸部エックス線撮影
側臥位への体位変換

解答: c

106E53の解説

輸血15分後に全身の掻痒感と呼吸困難を訴える56歳女性。全身の皮膚は発赤し、膨疹を認めることから蕁麻疹と考えられる。両側の胸部にwheezesを聴取し、SpO2 90%と低値である。血圧も低下しており輸血によるアナフィラキシーショックと考えられる。
a 気管挿管を行う準備は必要だが、現時点で室内気でSpO2 90%あり、まずは酸素投与から始める。
b 血圧低値であり、現時点で不要。
c 正しい。アドレナリン 0.3mgを筋注する。
d 必要な検査だが、ショックバイタルの是正が優先される。
e 誤嚥や窒息予防に安全体位として側臥位にするが、処置が終了してから行う。

正答率:77%

テーマ:輸血によるアナフィラキシーショックへの対応

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